スタートは2006年

そもそもFTAAPの構想がスタートしたのはいつなのでしょうか?一般的には2006年のAPEC首脳会議からスタートしているといわれています。たしかにFTAAP構想に関する研究の開始が合意されたのは2006年の首脳会議でしょう。しかし、実際にこのようなアジア圏の自由貿易構想がスタートしたのは1994年の首脳会議でボゴール目標が合意された瞬間ではないでしょうか。ボゴール目標の概要とFTAAPの概要はそれほど変わらないのですから。ボゴール目標は結果的に実現できなかった目標と言えますが、その構想を引き継いでいるのがFTAAPであり、TPPなのです。
よくTPPへの参加を巡って安倍首相が非難されたものです。たしかに、TPPが実現してしまうと日本の農業などは大打撃どころか産業の空洞化ともいえる状態になってしまうかもしれません。しかしそれを見越していても、安倍総理の立ち回りを非難しきれない部分があります。仕方のないことなのかもしれません(農業に携わる当事者ではないからこんな無責任な発言ができることは承知しています。悪しからず。)。これだけ昔から構想が練られていて、もはや今更不参加なんて発言できないところまで来てしまっているのでしょう。それにTPPやFTAAPといった巨大経済圏構想に不参加となれば、それこそグローバル化する世界の中で、日本だけが取り残されてゆくことを意味するのです。
残念ながら日本という島国には、その経済圏を主導できるほどの国力がありません。参加はする、ただし条件がある、という立ち振る舞いが、日本にとって最適なのかもしれませんね。

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